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信じる者は

今回は少し宗教的な内容になります。
Macintosh愛好家の方から何通かのヘイトメールを頂いております
"死ね""Windows信者"などといった過激な内容のメールも頂きました。
別に私はWindows"信者"ではありません。
このWebページを構築するのにMicrosoft社のVisualStudio.NETを使用しています
最初の頃はVisualStudio.NETのHTML編集機能を使用してHTMLを作成していました。
Wordや一太郎のようにレイアウトを作成していくだけでWebページが完成してしまうという
非常にイージーで優れたツールです。
結局の所、IE依存のタグを多く埋め込まれてしまうので
sedを使ってIE依存タグの除去に努めましたが、あまり効率的な手段ではありません。
Adobe社のGoLiveも持っていますが、私のiBook(PPC 800MHz+512MB RAM)が
あまりにも非力な為使い物になりませんでした。
どこかのWebサイトに
"800MHzのG3は2GHzのPentium4より速い"と書いてありましたが、
全くそうは感じられません。
Athlon 1GHzのGatewayのPCは800MHzのiBookより確実に快適です。

VisualStudio.NETにはもう一つ優れた機能があります。
"ソリューション"という単位でファイルを階層管理できます。
私の場合はyamazakiというHTML生成ツールを作成し、テキストファイルに記事を書きます。
あとはVisualStudio.NET上でコンパイルを行うと大量の記事が一気にHTMLとして出力されます。
yamazakiが全て終了し、HTMLが生成されると自動的にfz.bigmountain.ccへFTP伝送を行うバッチが
起動され私のサイトの更新作業は完了します。
統合開発環境の機能を逆手に取った使い方ですが、かなりの効率アップを実現できました。



信者という文化

信者とは、特定の神仏や思想にのめり込み崇拝する人間の事です。
当然の事ながら信じる物を貶されると信者は怒り狂います。
(某宗教団体はサリンを撒いたり殺人を犯したりしましたね)
逆に言えば崇拝の対象に対しては何の疑問も不満も抱く事は無いのです。
"狂信"という言葉がありますがまさにその事ですね。
崇拝の対象にのめり込み、視野を失ってしまうのです。
私にヘイトメールを送ってきたMacintosh愛好家の方が此に該当すると思われます。
信仰するMacintoshを貶され、怒り狂い、異教徒を殲滅すべく行動に出ました。
まず私の掲示板を荒らし、ヘイトメールを私に送付します。

私がMotifを否定するサイトに出会ったら同じ行動に出るでしょうか?

答えは否です。

私はMotif"信者"であり"狂信者"ではありません。
毒ガスも散布しませんし、掲示板荒らしもしません。



コンピュータという道具

前振りにてVisualStudio.NETを褒め称えましたが
私はWindowsを信奉している訳ではありません。
VisualStudio.NETが素晴らしいのです。これ以上のIDEはまず存在しないでしょう。
では、Macintosh愛好家の方を"Windows信者"と言わしめた私が信奉するもの
それはMotif/CDEです。
WindowsマシンもMacintoshも私は持っています。
最初に私が買ったPCはMacintoshでした。
購入の動機はVisionというDTMソフトウエアを使いたかったからです。
その後、高価で非力なMacintoshを諦めた私はWindowsマシンを入手し、
Emagic社のLogicAudioをしばらく使っていました。
結局EmagicはApple社に買収されてしまいWindows版提供の道は閉ざされました。
最近はもっぱらWindowsマシンでAbleton社のLiveを使用しています。

私にとってのWindowsマシンやMacintoshは自分の要求を満たす為の道具に過ぎません。
Windows版、Macintosh版双方が提供されているならば私はWindows版を選びます。
確実にWindowsの方が軽快に動作するからです(あくまで私の体感ですが)
Adobe社のPhotoshopだけはMacintosh版のライセンスを継続しているため
現在もMacintosh版を使用しています。

GUIの操作性に関しては、WindowsもMacOSも共にダメです。
CDEの操作感を覚えた私には全く使いやすいとは感じません。

何故なら、私は"CDE信者"ですから。



信者への道

コンピュータが趣味の音楽の為の道具であった私に転機を与えたのが
会社のサーバルームにて静かに稼働していたSparcStation5でした。
当時見習いCOBOLイカの訓練士として働いていた私は、社内最低年齢の若さを買われ
よく深夜のメンテナンス作業をさせられていました。
丁度、深夜にサーバルームのDTLテープを交換しにサーバルームに向かった時の事でした。
テープの交換も無事終了し眠気に襲われた私は、あまり歩き回った事の無いサーバルームを
探検してみる事にしました。
18歳の時です。
私は、サーバルームの奥地に見慣れないコンピュータを見つけます。
16chのアナログミキサー位のサイズの筐体上に大きなモニタが鎮座した姿でした。
純白の筐体に刻まれた菱形のSUNエンブレム(16方向全てからSunと読めます)、
小さく印字されたSparcStation5の文字列、あとは何の装飾もありません
それは今まで見たどんなコンピュータよりもCoolなデザインでした。
マウスを動かし、スクリーンセーバを解除すると
そこには未体験のデスクトップ環境が広がっていました。
CDEです。
立体的に縁取られたウインドウ枠や、押すと凹むタイトルバー。
ウインドウ横に細く小さく配置されたスクロールバーと三角形のボタン。
全てが斬新でした。
他のどんなオペレーティングシステムよりも精悍で美しいその画面に息を呑みました。
翌朝、サーバルーム担当の先輩にあれは何というコンピュータなのかと質問をぶつけました。
異常に興奮した私に彼は笑いながら
「相当疲れてるだろ、早く帰って寝ないと壊れちまうぞ。」と言いました。
多分、CDEの画面で興奮する心理が理解出来なかったのでしょう。
なおも食い下がる私に彼は
「UNIXだUNIX。あんまり興奮すると頭の血管がブチ切れるぞ」と言いました。
即座にアパートに帰ると私は検索サイトでUNIXを検索しました。
FreeBSDというUNIX互換OSが安価に買えるという情報を掴んだ私は
2徹明けのままシャワーを浴びて秋葉原へと直行しました。
Laser5のFreeBSD CD-ROMを入手した私は早速自宅のPCにインストールします。
ガイダンスに従ってインストールが完了し、FreeBSDがブートしました。
黒いコンソール画面に文字が激しくスクロールして行きます。
激しいスクロールはLogin:プロンプトで止まりました。
様子が変です。
私の予定では即座に美しいCDE画面が立ち上がる物だと思っていました。
Login:プロンプトにrootを入力し、CDEへの期待を込めて渾身の力でEnterを叩きます。

localhost#

後は空しくキャレットが点滅するのみ。
脱力しました。
それから私のUNIX人生はFreeSolaris7を待つことになります。



Solaris7

ある日、何気なく勤務先に置いてあったSoftware Design誌を手に取りました。
ペラペラと読み飛ばしていると不意に本から激しい光が発せられたかの様なショックを感じました。
すぐにそのページへ戻るとそこには、白黒ながらも憧れのCDEの画面が。
記事に目を遣りました。
"Free""無料"、魅惑の文字が躍り狂っています。
早速自分のデスクの端末からSunのサイトへとアクセスしました。
Free Solarisの文字。
心臓が破裂しそうになる程興奮しました。
憧れのCDEは既に神仏では無く、私の手に届く場所まで降りてきたのです。
早急にオーダーサイトへと移動し発注しました。
メディア代が$10、送料が$40だったと記憶しています。
待つ事1週間、二つ折りの段ボールに包まれたSolarisが到着しました。
手荒にパッケージを破きCD-ROMとブートディスケットを取り出すと即刻PCにセットしました。
SunOSの文字が画面に躍ります。
ビデオカードの設定画面まで来た所で愕然としました。
いくら探しても私のRivaTNT搭載Spectraビデオカードの名が存在しないのです。
直ぐに自作PCマニアの友人に電話を掛け、彼がRageProというビデオカードを持っている事が分かりました。
譲って欲しいと持ちかけると彼は快諾してくれました。
まさに救世主に出会った気分です。
私は自分のPCのフタを開けSpectraビデオカードを抜き取り、友人宅へと向かいました。
タダでいいという友人に無理矢理Spectraビデオカードを渡し、RageProを受け取りました。
即自宅PCにセットして導入再開です。
ビデオカード設定画面を通過するとXWindowの画面が広がります。
そしてインストーラのダイアログが現れました。
紛れもなくMotifです。
黒く縁取られたボタンや三角形のスクロールバーが次々に展開されて行きます。
最高にエキサイトしました。
たかがOSの導入作業がこんなに楽しいとは。
導入が終わりリブートが掛かりました。
FreeBSDで見た黒いコンソール画面に文字が激しくスクロールします。
(Solaris8では白画面になりました。目がチカチカします(笑) )
文字のスクロールが終わると画面が一瞬黒くなり、次の瞬間
Motif製のログイン画面が展開しました。
何か良く判らない奇声を上げた記憶があります。
rootを入力し、Enterを叩きました。
各国語で"ようこそ"とかかれた画面を抜けると、夢のCDE画面が19インチモニタに広がりました。
私は金鉱脈を掘り当てた事はありませんが、きっとこんな気分なのでしょう。
CDEのDockからメニューを引き出すとDtTermやDtPadが立ち上がります。
どこを見てもMotifです。
その後、Solaris8のインターナショナル版が出るまでXfee86を導入したりcannaを入れたりして
無理矢理国際化を行って使っていました。