logo
Motifの素晴らしさ

MotifとはTheOpenGroupという団体が提唱するGUI(グラフィカルユーザインタフェイス)の事です。
UNIX及び互換OS上のX11ウインドウシステム上で動作します。
最近流行のLinux等ではあまりメジャーではないようで、
Motifを使ったアプリケーションはそう多くはありません。
ここでは一般的に美しいと言われているMacOSXのAquaユーザインタフェイスと
恐らく現存するGUIの中で最も美しいと思われるMotifユーザインタフェイスを比較したいと思います。

比較に使用した環境:
Motif: TurboLinux 8+OpenMotif2.2(WindowsXPよりASTEC-Xにて接続)
アプリケーション: NEdit(Motif使用のテキストエディタ)

OSX: iBook(G3 800MHz、12''液晶モデル)に付属の物(v10,2)
アプリケーション: OS付属のテキストエディタ


プルダウンメニュー

GUIの特性を最大限に活かした機能がプルダウンメニューでしょう。
大量の命令をカテゴリごとに分類し、直感的に選択・実行できるのです。

まず、OSXのプルダウンメニューを見てみましょう。
メニューの裏に陰があり、メニューが浮いて見えます。
しかし、メニューの背景に不気味な縞模様が浮いておりなおかつメニューの区切りは単なる空白です。
これは非常にのっぺりとした平面的な印象をユーザに与えます。
また、MacOSの伝統でもある画面最上部に固定されたメニューバーですが、
はっきり言って時代遅れです。
640x480程度の画面で使用するならば作業領域を最大限に確保できるので良いのですが、
高解像度になればなる程作業領域とメニューバーの位置は離れ
メニューオペレーションの度にマウスを大きく動かし、視点も大きく動かさねばなりません。
さらに、白ベースのユーザインタフェイスは目への刺激が非常に強く、
長時間のオペレーション時に強いストレスを感じます。

一方のMotifですが、
まず選択したメニューが盛り上がっています。
メニュー自体にも陰影が付けられており、非常に精悍な印象を受けます。
スクリーンショットには写っていませんが、メニューを選択中はマウスポインタが反転し
ユーザにメニューを選択中であることを強くアピールしています。
燻銀色の背景は目に優しく、余計な半透明効果などもありません。
シンプルながらも非常にフィーリング豊かな美しいユーザインタフェイスを実現しています。
また、ウインドウごとに独立したメニューバーが用意され、
高解像度環境での作業時に目やマウスオペレーションにストレスを感じる事はありません。



MacOSX
MacOSX
Motif
Motif
スクロールバー

"ウインドウの描画領域により多くのデータを表示したい。"
このような思想から生まれたのがスクロールバーです。

上下左右に移動する事によって、ウインドウや画面のサイズを超えたデータを表示できます。

まずはOSXです。
下部に集中したボタンが印象的です。
恐らくは高解像度の画面で使用することを想定したのでしょう。
素晴らしいアイデアだとは思いますが、
結局画面最上部に固定されたメニューをオペレーションする事を考えると設計者のセンスを疑わざるを得ません。
さらに、青く光る大型のスクロールバーのデザインは微妙です。
はっきり言って存在感を主張しすぎで汚らしい部品になっています。
OS7の頃は良かったのですが。


次にMotifです。
非常にシンプルなデザインです。
四角いバーに尖った三角形のボタンが上下に配置されています。
スクロールバーが格納されるエリアは凹んでいて、スクロールバーと描画領域が同じ高さになるように
調整されています。
ユーザの作業をGUIパーツの主張によって妨害しない配慮でしょう。



MacOSX
MacOSX
Motif
Motif
共通ダイアログ

ファイルオペレーション用のダイアログウインドウを比較します。
"開く"や"Open"メニューを選ぶと出てくるあのウインドウです。

OSXを見てみましょう。
悲惨です。
ファイルセレクタが巨大なスクロールバーに見事に占領されています。
ウインドウをリサイズするとさらに悲惨な事態になります。
操作性も糞もあったもんじゃありません。1024x768のiBookではとても操作がしづらいです。
さらに選択したファイルの巨大アイコンが表示されたりと理解に苦しむ挙動を示します。
外付けディスプレイ装置を接続して1600x1200位の解像度で使えと言いたいのでしょうか?
そんな馬鹿げた事をしてはポータブルマシンの意味が全く無いです。

次にMotifのファイルセレクタです。
非常にシンプルながらも必要な機能は下部のボタンに集約されています。
左サイドにディレクトリが表示され、右サイドにファイルが表示されています。
素晴らしいのはフィルタ機能です。
Filterエリアに"*.txt"と入力します。
するとファイル一覧には".txt"のエクステンションを持つファイル名だけが表示されます。
美しく均整の取れた2ペイン形式のセレクタは、リサイズしてもレイアウトは崩れません。



MacOSX
MacOSX
Motif
Motif
警告ダイアログ

ユーザに注意を呼びかけたり、プログラム側からユーザにオペレーションの指示を促すのが
警告ダイアログボックスです。

OSXの警告ダイアログを見てみましょう。
半透明です。
しかも、裏に隠れたドキュメントが視認できない程度の半透明です。
設計者は何を考えて設計したのか想像も付きません。
さらに気持ちの悪い横縞も健在です。何を考えているのでしょうか?
警告ダイアログの親ウインドウを動かすと警告ダイアログも一緒に動きます。
コバンザメのような挙動です。気持ち悪いです。
設計者の方、一度Motifユーザインタフェイスに触れて反省してはいかがでしょうか?

次にMotifのダイアログです。
ここまでくると芸術としか思えません。
デフォルトボタン(Enterを入力すると自動的に選択される)ボタンは縁取られ、強調されています。
また、ダイアログは移動可能なので、未保存のドキュメントを心ゆくまでチェックできます。
まさにユーザの立場に立ったユーザインタフェイスです。
非の打ち所がありません。


MacOSX
MacOSX
Motif
Motif